先延ばし癖を解消してやりたいことに着手する方法
「やりたいことはあるが、何か理由をつけては先延ばしをしてしまう。」
ただでさえ、身の回りには誘惑となるものがあふれていますので、これに対抗するのは難しいですね。
このような先延ばし癖は、常にその対象を意識している点で生活上の負担になるものです。
先延ばし癖に対しては、どうしても「やる気」「根性」の問題にしてしまいがちですが、それは根本的な解決にはなりません。
そうではなく、システマチックに自らを動かす方法を紹介します。
(※目次の項目をクリックすると、その箇所をすぐに読めます)
目次
「習慣化」カテゴリー現在地の確認
当サイト内にて、「習慣化」カテゴリーは以下の4記事から構成されています。
読み進めていただく中で、必要に応じてリンク先より関連記事も参考にしてください。
実行力を高める2ステップ(着手して続ける)(全体のまとめ・要約)
先延ばし癖を解消してやりたいことに着手する方法(個別記事①)【現在地】
↓
始めたことを継続し習慣化する科学的な方法(個別記事②)
↓
マインドマップで実行力を高める方法(着手・継続)(個別記事③)
人間の行動原理を理解して先延ばし癖を解消する
ただ何となくに見える行動であっても、それは人間の行動原理に基づいて行われています。
ですから、その仕組みを理解することで先延ばしに対処することができます。
行動に直結する動機づけ条件
人が行動する時、そこには何らかの動機づけされる条件があります。
食事をするのは「おなかが空いたから」、コートを着るのは「外が寒いから」。
動機づけ条件のない行動は存在しないほど、動機づけと行動の結びつきは密接です。
すなわち、「時間の経過や環境変化によって何らかの動機づけ条件が生じた時、人は行動を開始する」ことになります。
逆に、行動しない・行動できない状態がなぜ続いているかといえば、動機づけ条件が不足しているから、ともいえるでしょう。
行動できない悩みへの対処方法
「動機づけの条件があるから人は行動する」
そうであれば、行動できない悩みへの対処方法はシンプルで、以下のことをすればいいわけです。
- 自分で動機づけ条件を作る
- 行動したくなる環境を整える
「行動に直結する」とは?
「いやいや、私は動機づけ条件の理論は当てはまらない」と感じることがあったかもしれません。
仕事で何らかのアクションを起こすことを例に考えてみましょう。
- 仕事の能率を上げたい
- 上司・同僚と円滑にコミュニケーションを図りたい
これらも動機づけではあるかもしれません。
ただ、これらの項目はあくまでも達成すべき目的だと表現できます。
行動に直結するための動機づけとしては、さらに踏み込んだ欲求レベルまでさかのぼる必要があります。
- 家族との時間を確保したい(こちらが動機づけ)
→そのために、仕事の能率を上げたい - 昇進をすれば念願のマイホームが現実的にものになる(こちらが動機づけ)
→そのために、上司・同僚と円滑にコミュニケーションを図りたい
実行力がないと悩んでいる人は、この点で間違いを犯し、表面的な内容で動機づけを考えがちなのです。
動機を構成する要素
目標を達成したければ、達成するための行動に目を向ける必要があります。
行動に必要なものは、その行動したくなる動機づけ条件なのです。
その動機づけ条件、これまでに紹介してきた表現を用いると、行動に直結する動機づけ条件となりますが、それは「ニード(必要性)とメリット(利点)」によって成り立ちます。
ニード(必要性)とメリット(利点)
ニードとメリットを感じた時、人はその行動を起こし、繰り返します。
- 寒いからコートを着る必要性を感じた
- 実際にコートを着たら暖かくなりメリットを感じた
一見当たり前のように行動していることにも、あるいは当たり前に行動していることであるほど、ニードとメリットによって成り立っているのです。
意図的にニード(必要性)とメリット(利点)を作り出す
「食事や着るものならニードとメリットがあるだろう」「それでは仕事であったり、“気は乗らないがやらなければいけない”ことには使えないじゃないか」。
そんな声もあるでしょう。
では、仕事におけるニードとメリットのように、本当はやりたくないが仕方なくやっていることの場合はどのように考えるべきでしょうか。
行動科学マネジメントにおいて、意図的な動機づけをするためにツールを用います。
代表的なものとして、以下のようなものが挙げられます。
- ささやかなごほうび
- 賞賛
- ポイント
- グラフ
会社の営業で一般的に用いられているような内容もあり、意外とイメージがつきやすいかもしれません。
いずれも「強化」「測定」という科学理論に基づいており、効果が実証されています。
ターゲット行動に応じた対処法
さらに具体的に先延ばし癖に対処すべく実行力を高める方法を考えていきましょう。
行動科学では、その種類を以下のように分類します。
- 望む行動(不足行動)→増やすよう働きかける
- やめたい行動(過剰行動)→減らすよう働きかける
今、自分自身で抱える悩みがどちらに当てはまるか、あるいは両方必要なのかをはっきりさせ、改善すべき行動を明らかにしましょう。
改善すべき行動が明確になったら、それを「ターゲット行動」と位置付けます。
ターゲット行動を増やすため、または減らすために何をするか。
これがセルフマネジメントの本質的なテーマとなります。
以下、多くの人が経験してきたであろう「夏休みの宿題」を題材に考えていきます。
不足行動を増やす方法
不足行動を増やすには3つの方法があります。
- 行動の誘発条件をつくる
- 行動の動機づけ条件をつくる
- 行動のハードルを低くする
誘発条件とは、ターゲット行動を起こしやすい条件のことです。
何らかの課題を進めたいのであれば、例えば「机の上には課題に関係あるもののみ置いておく」「家族や友達、会社の同僚に今日やることを宣言する」といった条件をそろえ、環境を整えましょう。
動機づけ条件は、ターゲット行動にニードやメリットを付け加えることです。
「2ページ進めるごとに大好きな〇〇を食べてよい」「この課題が終わったら△△に出かけることができる」といった“ごほうび”が該当します。
行動のハードルとは、ターゲット行動をジャマしているものです。
「つい手にとってしまうスマホ」「何時間でも続けられるゲーム機」などをできるだけ取り除き、ターゲット行動がジャマされない環境をつくる必要があります。
過剰行動を減らす方法
過剰行動を減らすことにも3つの方法があります。
- 行動の誘発条件を取り除く
- 行動の動機づけ条件を取り除く
- 行動のハードルを高くする
3つとも、不足行動を増やす方法の裏返しです。
「ついつい誘惑に負けてしまう」ことを極力減らすために、できることを考える必要があります。
先延ばし癖に対処するテクニックあれこれ
(順次更新予定)
「サイコパス」要素を取り入れて行動する
準備中
